今更ながら、
って訳でもないのですが、真空脱泡注型機を自作しようと思いましてね。
え?真空脱泡注型機を知らない?
簡単に言えば、複製の精度を高める装置でございます。
で、
まず必要になるのは、真空ポンプ。
空気を抜いて、真空にする機械なのですが、この「真空」って言葉が曲者でしてね。
真空っての、てっきり「空気が全くない状態(真の空)」だと、思っていたのですが、
どうやらそうじゃないらしい。
JISによれば真空とは「大気圧より低い圧力の気体で満たされている特定の空間の状態」
だそうな。
現代の全知全能をかたむけても、「絶対真空」は作れないんだと。
確かに、ありとあらゆる気体分子を取り除くと考えれば、そりゃあ困難だよな。
(でも、大気圧の一億分の一の一億分の一くらいまで空気を減らすことはできるらしい)
つまり、真空ポンプとは、
「大気圧より低い圧力の気体で満たされている空間を作る機械」
と、定義する事ができますな。
さて、その真空ポンプ。
どれがいいのか、いろいろ物色しているのですが、
「排気速度」やら「到達圧力」、「到達真空度」と、
あまり馴染みのない言葉が出てきやがりましてねぇ〜
頭が混乱してきたので、ここらでちょっと、まとめてみたいと思います、自分なりに。
まずは、「排気速度」
単位は「L/min」で表されるのですが、これは読んで字の如し。
1分間で、何リットル空気(気体)を排気できるかって事なので、これはOK。
別に難しくもありません。
次に「到達圧力」と「到達真空度」。
メーカーによって表記が違うのですよ。
でも結局は同じ意味らしいです(だったら、統一しろよ)
まぁこれも先ほどの定義、
「大気圧より低い圧力の気体で満たされている空間を作る機械」
に当てはめれば、その空間をどのくらいの圧力に出来るかって事ですよね。
しかし問題は、その単位。メーカーによって、いろいろ異なります。
ざっと挙げてみると
Pa(パスカル)
kPa(キロパスカル)
MPa(多分、メガパスカル)
キロとメガだから、1000倍、1000倍になっているんでここまではOK。
あと、出てきたのが
Torr(トル)
μ(ミクロン)
トルとかミクロンは初耳だ(ミクロンって、圧力の単位だっけ?)
単位はこんなもんですが、表記がですね〜
プラスであったりマイナスで表記してあったりしやがる。
なんだ?どういう事だ?
空間の中の分子量がマイナスってありえんだろ!(暗黒物質か?)
と思ったのですが、どうやらこれは、大気圧を「0」とした場合の表記らしい(ゲージ圧?)
こうなってくると、性能の比較がややこしい。
正直、単位をそろえてもピンとこない。
なので、それぞれの単位で大気圧(1気圧)を絶対圧で表すと、
(絶対圧:絶対真空を基準に表した圧力)
101325Pa
101.325kPa
0.101325MPa
760Torr
7.61×10(5乗)ミクロン
となる。
上記の値に対して、
真空ポンプの到達圧力(マイナス表記のものは、大気圧をプラスして絶対圧にする)が
大気圧の何パーセントか計算すれば、自分としては理解しやすいし比較も容易
あと、「排気曲線」ってのもあるのですが、これは車のエンジン性能線図みたいなものだろうな。
ここから真空に到達する時間を計算できるけど、計算が面倒だし、
そんな大きな容器を使うわけじゃないから無視(←してもいいのか?)
よし、
自分の中での基準はできたので、再び真空ポンプの物色開始
ちなみに
760〜1Torr が低真空
1〜10(-3乗)Torr が中真空
10(-3乗)〜10(-7乗)Torr が高真空
10(-7乗)〜10(-10乗)Torr が 超高真空
と、なっているらしい
(* ̄▽ ̄)ノ これは覚書・・・☆;:*:;☆