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ユズピの造形日記

2010年06月15日

開けてはいけない

高校の時の話。


Sは困っていた。

今日は、美術の授業だというのに、油絵の道具一式を忘れたのだ。

しかし、ここは美術室。探せばきっと、余っている油絵セットがあるはず。

余っているのか、美術部員の物なのかは定かではないが、どのみち勝手に使っていい物ではなく、

Sは教師に気づかれぬ様、こっそりと探す事にした。

音を立てないよう、周りの目を気にしながら・・・



美術室の奥を見ると、両開きの扉のついた古い備品棚が3つ並べてある。

かなり大きく、普通に大人が入りそうであるその備品棚を見つめ、Sは、

「今、この中に入って友人を驚かす事も面白いな」とも考えたが、一応授業中である。

Sは油絵セットを探す為、備品棚を開ける事にした。




まずは、右端の備品棚を開く

「ギギギ・・・」

古いだけあって、気味の悪い音が響く。

「まずい、気づかれたか?」

そっと辺りを見回すが、みんなは絵を描くのに夢中で、こちらには気づいていない。

教師もこちらに背を向ける格好で、生徒にアドバイスをしている。


ほっと胸を撫で下ろし、備品棚の中を覗いてみる。


両開きの扉を開けきっていないせいか、中は薄暗くよく見えない。

中をよく見ようと、備品棚の中を覗き込む。



「サッカーボール?」



備品棚の中に何やら丸い物体が見える。

しかし、サッカーボールにしては、形がいびつすぎる。

目が暗闇に慣れるにつれ、徐々にはっきり見えてくるそれは、



「人?」


少し驚きはしたものの、今しがた自分も考えた悪戯である。先を越されたと、少し悔しく思いながら、

「誰だよ」と声をかけようとしたその時、彼の頭の位置があまりにも低すぎる事に気づく。


Sは背筋が凍りついた。


なぜなら、それ(彼)には本来あるべきはずの、首から下がないのだ。





ひぃぃぃぃぃぃ



声にならない悲鳴を上げるS。





ごめんよ、Sくん






壊れて生首状態になった石膏像に




色を塗って、




備品棚に入れたのは、




この俺だ







しかも、血のり付で・・・







Sよ。



断りもなく、勝手に備品棚を開けた、己の不運を呪うがいい。




(* ̄▽ ̄)ノ 美術部員より ・・・☆;:*:;☆


posted by ゆずぴ at 12:28| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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